藍井エイルの登場

樹海といえば

ニコ生から誕生した歌姫

Lisaさんについては地道ともいえるが、壮絶なバンド生活を学生時代から過ごしており、いつしか地元の岐阜県だけではなく大阪度にも進出してバンド活動をしていたという。その都度好評を博していたこともあって、当時を知っている人達にすればようやくデビューしたんだと楽しみにしていた人達もいるだろう。別に彼女だけが凄いと、そういうことを言いたいのではなく、誰しも歌い手として以前から活動していた結果、こうしてプロとして活動することになったと考えれば納得できるプロセスが存在するということを言いたい。またそのデビューを確実なものとするためにFateシリーズという超大型作品とのタイアップとくれば宣伝としても効果は抜群だ。

そんなLisaさんのデビューシングルも好評となったわけだが、続くエンディングについても新生が登場する。『藍井エイル』という女性アーティストが登場した時、筆者は正直な気持ちとして『誰っ?』というものしか無かった。正直その時はエイルさんの背景事情などを一切知らなかったため、とりあえず流れてくる音楽を聴いていた、と言った感じだ。

その当時、筆者はいわゆるオタク系のショップで販売員をしていたので何となく聴いてみると、藍井エイルというのはそれなりに有名だったという。どういうところで有名だったのかというと、それはこの頃ちょうどまた別の意味で流行りでもあったニコニコ動画発信の『歌ってみた』からだという。端的に説明すると、インターネットを利用してカバーないし、オリジナル楽曲を生放送などで披露して聴いてもらい、アマチュア歌手として活動することが出来るインターネットサービスだ。基本はボーカロイドなどの曲をタイアップするらしいが、エイルさんの場合は既にプロとして活動を開始していたピコさんの楽曲をカバーし、披露したことでデビューへの糸口を掴んだという。

同じような形式でプロ歌手として活躍することになった人は何人かいるが、とりあえず今回はFateシリーズの主題歌を担当した歌手に焦点を当てているので、一先ず藍井エイルという女性アーティストが歌い上げた『MEMORIA』を中心に考察していこう。

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ニコ生から誕生した歌手だが、それでも知名度としてみれば決して高いものとはいえないだろう。確かに利用している人もいてすでに知っていたという人もいるかもしれないが、中には全く知らないまま楽曲をアニメのエンディングで初めて聴いた、なんて人もいるだろう。ただやはりタイアップした作品が作品だけに、デビュー曲ながらオリコンランキング8位を記録した。喜ぶべきところなのだろうが、この頃にはもうCDセールスの売上は一部の特典という効果だけでミリオンを連発している、半ばやらせっぽい商法で事実を捏造しているアイドルグループぐらいしか、まともな売上を記録できていない。実際、エイルさんの楽曲も新人として、FateシリーズのEDという大役を担うことになった作品でも実際に週間で売り上げた枚数は1.4万枚程度だという。これが90年代であればもう少し売上も変わってくるのかもしれないが、この枚数を当時で記録したら間違いなく10位以内はおろかTOP20位すら入らなかっただろう。

ある意味時代を感じさせる瞬間を思わせるが、走り出しとしては申し分ないものだったことは間違いない。実際、楽曲に対してもそれほどネガティブな印象は見られなかったので受けいられたという人も多かったようだ。

そんな楽曲『MEMORIA』だが、これは先のLisaさんとは対照的に主人公達のサーヴァントに焦点を当てて歌っているものとなっているが、その軌跡については物語の世界観でどのような願いを持って殺し合いをしているのか、また殺し合いの先に待っている願いを獲得するため死闘を繰り広げるのも全てはそのためだと、そんな心情が繰り広げられている。

特にこの作品では主人公のサーアヴァント、セイバーの思いが一番強いかもしれない。そういう点でも主人公とヒロイン、そして原点たる『stay night』ではメインヒロインとして活躍するセイバーの葛藤などを楽曲を聞いて感じた。この時代で生きるセイバーと、物語の本軸となる世界とでは立ち位置が微妙に違っているという点が印象深いところだ。

心情をもっと細かにしようとしたが

MEMORIAで好評を博したエイルさんは次にトリビュート・アルバムを発売する。『Prayer』というアルバム作品を出したが、こちらは彼女なりにFate/zeroに登場するサーヴァントたちの心情を歌い上げた作品となっている。

さて、ここでは少し辛口で話をしなければならない。正直な話、筆者もそうだがファン目線からすれば、どうしてこんな作品を作ったのかと言いたくなるのも含めて、心情などを表現しきれているとは言いがたいものだと、残念ながら評価するしかない。悪いわけではない、ただエイルさんはレコーディングをする際に作品を調べること無くレコーディングに望んでしまったということもあり、何処か薄っぺらい物担ってしまった感が否めず、単体の音楽としても評価されるものとして見るには辛いものが見えすぎている。素人目線かも知れないが、Fateシリーズに思い入れのある人間にすればこれを出して欲しくはなかったと、もう少し表現できるアーティストが出せば納得できたかもしれないが、ほとんど無名の新人が担当するというのはすこしばかり無謀が過ぎたかも知れない。

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2クール目へ

Lisaさんとエイルさんの二人が1クール目のOP・EDを担当して、次の展開へとバトンタッチをする。少し厳しい視点から辛口評価を下してしまったが、実力を批判しているわけではなく、作品のことを考えた上ではもう少し奥まで調べてから表現してもらいたかったと、そんなファン心理からだ。ただ見方によってはこういうところがオタクは面倒くさいと言われる由縁かも知れないが、オタクにすればオタクを敵に回すと非常に面倒なことになってしまうという面もある。

まぁくだらない話はさておき、Fate/zeroという作品も1季節ずらして放送されることとなり、2クール目の放送が開始されるとOPとEDを担当するアーティストもそれに合わせて変化した。

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